日本退職代行協会は、日本初の退職代行サービス業界の協会で「退職代行業界の消費者保護と業界活性化」を最大の目的として発足した組織です。

日本退職代行協会に寄せられた退職代行サービストラブル事例集

日本退職代行協会に寄せられた退職代行サービストラブル事例集

日本退職代行協会に寄せられた退職代行サービストラブル事例集

多くの人に知られるようになってきた退職代行サービス(退職代行サービスについて詳しくは「退職代行サービスとは。意味や意義」をご覧ください)ですが、利用者が増えるとともにトラブルの発生件数も多くなっているようです。

せっかく仕事を辞める決意をして、退職代行サービスに依頼したにもかかわらずトラブルに巻き込まれてしまったり、退職に失敗したりといったケースも起きています。

退職代行サービス業界において退職に失敗してしまうというトラブルは、その退職代行サービス業者だけでなく、業界全体に影を落としかねない問題であると思います。

今後、同じようなトラブルや辞めることができなかったという失敗が繰り返されないことを願って、協会に寄せられたトラブル事例をご紹介させていただきます。

退職代行サービス側はもちろんのこと、辞めることを検討している利用者やトラブルを避けて円満に退職手続きを進めたい企業側にも知っておいていただきたいトラブルの事例や失敗事例を厳選しておりますので、是非ご参照ください。

なぜ、退職トラブルや辞めることに失敗する事例が発生するのか。

退職トラブルや辞めることに失敗してしまう問題の原因は以下にあると思います。

① 辞める前に退職代行サービスについての情報収集や退職代行サービスのサイト上の情報提供に問題があった。
② 仕事を辞めることに対して心構えができていなかった。
③ 退職代行サービスがどのようなものか理解できていなかった。

どれも些細な原因ですが、すべて退職代行サービス利用においては肝となるものです。
その肝となる部分が欠落してしまったために、退職代行利用のトラブルや退職の失敗に繋がっているのです。

それでは、それぞれの立場で発生した退職トラブルや辞めることに失敗してしまった事例を紹介していきたいと思います。

退職代行サービス側で問題があった事例

退職代行サービス側で問題があった事例

退職代行サービスのホームページに記載している内容と実際に提供されるサービス内容に相違がある

利用者は様々な情報を見たうえで、退職代行サービスを選び、相談・依頼をします。

失敗しないために情報収集しているのに、その情報に食い違いや誤りがあったらどうなるでしょうか?
当然、退職代行サービスの利用を中止することにもなりますし、相談した時間や労力が無駄になり、予定していた退職を見直す必要性も出てきます。
ここで諦めてしまえば辞めることに失敗してしまったのと同じ状態です。

トラブルの具体的な内容としては、追加料金は無いはずなのに利用料の他に後から追加料金を請求された、表示していた料金と実際は異なっていた等、退職代行サービス側の原因による料金トラブルも散見されるようになりました。

これは特に社員3万円~5万円の相場よりも大分安い社員1万円台の金額の退職代行サービスで見受けられますので、単純に値段が安いというだけで選ぶのは危険かもしれません。

退職代行サービス側として、当然ながら間違った表記や事前に知らせていない情報を突き付けることがないようにしなければなりません(当協会で「認定」を受けている退職代行サービスは各種審査をしていますので安心してご利用いただけます)

利用者側としても辞めることを失敗しないための情報収集と内容の確認が必要になります。

 

利用者の相談や要望に応えない

退職代行サービスが世の中に知られるようになったとはいえ、実際に退職代行サービスを利用して仕事を辞める際には色々と心配になるものです。トラブルに発展しないか、仕事を辞めることに失敗しないかなどなど…

そういった不安を鎮めるべく、退職代行サービス事業者は利用者にまっすぐ向き合い、応対すべきですが、中には利用料金の支払いを先行させて、利用者の相談に答えを出さない事業者もいると聞いています。

利用者は退職代行サービスを初めて利用する人が大半を占めています。料金を先に支払わないと相談にも応えてくれないのかと思い、支払いを先にされる利用者もいるでしょう。

退職代行サービスの料金を支払った後に色々と相談をして、利用者が思っていたサービスと違っていたためキャンセルをしたくてもできない状態になってしまったという事例もございました。

このように事前に相談を受け付けない退職代行サービスには注意が必要です。

 

退職代行サービス利用途中に返信が来なくなる

退職代行サービス事業者によって営業時間は様々です。24時間相談可能な退職代行サービスもあれば決められた営業時間で運営されている退職代行サービスもあります。

ただ、営業時間内にも関わらず、利用者の問い合わせに返信しない退職代行サービスもあるとのことです。

返信が来る時間が遅くなったりするのは様々な事情がある可能性がありますので仕方のない場合もありますが、返信自体が一切なくなったりする事例が当協会に寄せられました。

この事例に関して退職代行サービス事業者の意図は分かりませんが、利用者側としては退職代行サービスを信頼して依頼しているわけですからサービス利用の途中で音信不通になるのは期待を裏切られてしまったような感覚に陥ることになります。
(これらは退職代行サービス実施後に音信不通になるケースです。支払い後に音信不通になるようないわゆる詐欺のようなケースの報告はありません)

 

退職代行サービス利用者側に問題があった事例

退職代行サービス利用者側に問題があった事例

依頼した後に音信不通

退職代行サービス事業者は利用者に代わって退職を申し入れ、辞めることを会社から了承をいただけるよう退職理由等をお伝えします。

代行実施の際に「〇〇について確認してほしい。」「△△の情報を確認してから退職手続きを進める。」といった会社側からの要望や確認事項が発生することもあります。
当然、退職代行サービス事業者が勝手に答えることはできませんので、利用者に確認の連絡を取るわけですが、連絡が取れない、返信が来ない・・・

結果、会社側では退職手続きを進めることもなく、利用者は無断欠勤扱いとなってしまい、会社を辞めることができなかったというトラブルがあったそうです。

自分で退職の意思を伝えず、会社に行くこともなく辞めることができるため、気持ちが緩んでしまいますが、退職することは簡単なことではありません。
ある程度、退職の話が落ち着くまでは退職代行サービスと連絡が取れる状況で代行実施日に臨んでいただきたいと思います。

 

会社側から要望された書類や返却物の対応が遅い、もしくは返却されない

退職について了承を得たとしてもそれだけで退職が完了するというわけではありません。会社を辞めるためには退職届や退職に必要な書類、会社から貸し出されているものの返却が必要になります。

退職代行サービス事業者は書類の提出や返却物について対応することはできませんので、基本的には会社を辞める利用者自身が対応しなければなりません。
会社側としても退職届や社内処理に必要な書類をもとに手続きを進めますので、提出や返却が遅くなれば処理も遅くなり、トラブルが発生してしまいます。

実例としては、
貸与された制服を長期間返却しなかったため退職者の実費精算となってしまった。
退職手続きが完了するまで社会保険料を会社負担分も含めて退職者自身が負担しなければならなくなった。
新しい会社での就職手続きが滞ってしまった。
というトラブルに発展しています。

 

会社側に伝えるべき要望事項がまとまっていない

従業員が会社を辞めることで、会社側は様々な処理を行わなければなりません。その中で利用者から要望されることの多いのが退職書類です。
離職票や雇用保険被保険者証、健康保険資格喪失証明書など自社だけではなく各機関への申請・承認を得なければならないものもあります。

ある日突然、退職代行サービスから退職することを告げられ、予定していなかった退職処理を行わなければならなくなるため、できる限り簡潔に処理していきたいものです。
しかし、利用者の要望がまとまっていないことで、何度も退職代行サービス業者から連絡が来る。連絡が来るたびに新しい要望が増える。
これでは心象が悪くなってしまいます。

また、そうこうするうちに痺れを切らした会社が「辞める本人に一度会社に来てもらって手続きを確認したい」「退職代行サービスを経由せず直接連絡をもらいたい」といった話になってしまった事例も確認しております。

 

退職代行に依頼したのに本人でも会社に連絡をしてしまう。

基本的に退職代行サービスを依頼する利用者は会社側との連絡を退職代行サービス事業者に一任します。

しかし、退職代行を実施する中で、会社側が利用者本人に連絡をすることもあります。それは法的にご本人様への連絡を抑制することはできないためです。

かかってきた電話に応対するかどうかは利用者の判断になってしまいますが、応対して退職の話を独自に進め、退職代行サービス側の話と食い違いが発生したことでトラブルになった事例があるようです。

辞めるために選択した退職代行サービスを自身の手でトラブルにいざなってしまった事例と言えるでしょう。

 

このようなトラブルや失敗を避けるために必要な注意点を「【退職者向け】トラブルを避ける退職代行サービス利用時の注意点」にまとめてありますのでご参照いただければと思います。

 

企業側に問題があった事例

退職を不必要に遅らせる

退職代行サービス側から退職の意思を確認した後、会社によっては社内で対応方法を確認する必要があるため、一旦保留として社内確認をするケースがあると思います。
しかし、中には意図的に退職を遅らせるために対応をしないケースがあります。保留とした案件について回答を出さない、確認の連絡をしている退職代行サービスに対して居留守を使う等で嫌がらせをする会社もあるそうです。

会社を辞めると決断した利用者の意思は非常に硬いです。

むやみに引き延ばすことは会社側も利用者側にも利点が無い行為であると認識しましょう。

 

脅迫まがいの言葉を使い、退職代行サービス側だけでなく、利用者側にも圧力をかける

退職代行サービス側に対して、違法だ、弁護士を通じて訴える、利用者が支払った料金を返金しろ!など、当然応じられない要求を何度も繰り返し連絡されていた会社もいるようです。

利用者側にも損害賠償する、家族に連絡してやる、次の仕事先にも連絡するといった脅迫とも取れる言動で圧力をかけているケースもあります。

利用者としては、勇気を出して辞めることを選択したのに、会社側の対応で最悪なトラブルに発展した事例だと思います。

尚、このようなケースでも当協会で認定している実績のある退職代行サービスでは、対処法があるため問題なく退職まで進めることが可能とのことです。

 

このような嫌がれせ行為は会社に不要な損失を招く結果にもなりかねません。人事担当や管理職の方は「【人事担当者向け】これは絶対ダメ!退職代行への正しい対処法」をご覧いただければと思います。

 

トラブル、失敗を未然に防ぐ方法

トラブル、失敗を未然に防ぐ方法

様々な事例がある中で、特に注意しておきたい事例をご紹介しました。

通常であれば退職代行を実施した際にトラブルが発生することはかなり稀なことです。

退職代行サービス事業者は退職代行を行う際、事前に利用者の退職理由や退職に伴う要望(離職票や源泉徴収票の発行、有給消化など)、会社に伝えなければならない情報(貸与物の返却、私物の処理など)を確認し、代行を実施します。
ただ、その情報の伝え漏れや間違い、情報の確認漏れが誤解を生み、退職トラブルに発展し、最悪は退職の失敗に繋がっています。

利用者にとっては人生の大きなターニングポイントになる退職を失敗させず辞めるためには、心構えを含めた準備と情報の提供を、退職代行サービス側はその情報の確認を十分に行い、退職代行を実施することで円満な退職を得ることができるのだと思います。

因みに当協会で「認定」を受けている退職代行サービス事業者においてはトラブルの声は寄せられておりません。一つの指標として参考にしていただければと思います。

退職代行サービスについては、当協会で厳正な認証審査を行い、合格した優秀な退職代行サービスに対して「JRAA認定」を付与しています。
トラブルなくスムーズな退職をするためにも、JRAAの認証に認定されている退職代行サービスへ依頼することをおすすめします。
>JRAA認定退職代行サービスおよび会員一覧はこちら

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