仕事を辞めたいと考えた時に心配になるポイントの1つに下記の内容があるのではないでしょうか。
「退職する場合は最終出勤日の3ヵ月前に申請し、引継ぎ事項を完結しなければならない。」
上記のような記載があると、
「退職するためには引き継ぎをしなければいけない。引継ぎが終わらなかったらどうなるのか・・・」
失敗せずに退職することができるのか不安になります。
でも、不安になることはありません。
ここではその不安を払しょくするために、また、従業員側とトラブルなく退職の話を進めるため、人事担当者にも知っておいて欲しい民法と就業規則、退職代行サービスとの関係性について説明します。
民法と就業規則の関係性は
民法と就業規則の関係性を説明する前にそれぞれの意味について説明します。
「民法とは」
民法とは、公共に適合するために人間の権利や関係性をまとめた法律を指します。
簡単に説明すると、人が日常生活を問題なく送るために決められた、様々なカテゴリーに分けられている法律を民法と言います。
自分自身も含めて、他者や組織が自由に行動をすると多くの問題が発生してしまいます。
そういった問題が起きないよう、権利と関係性を明確にしているのです。
今回の記事内において、民法の中で就業に関連するものが、民法第三編第二章第八節にある「雇用」になります。労働基準法とは異なるため注意が必要です。
「就業規則とは」
就業規則とは、雇用契約(労働契約)を結ぶうえで使用人となる企業側が労働者側(従業員)との間でトラブルにならないために決めた「会社のルール」を指します。
就業規則の中には労働時間、所定休日、賃金・賞与や福利厚生などを法律に沿って使用者が取り決めた内容が記載されています。
就業する上でのルールとなるため、このルールに反した場合は罰則の対象になる可能性があります。そのため就業規則に記載されている内容については事前に把握しておく必要があります。
民法と就業規則、加えて労働基準法は就業するうえで重要であり、それぞれが密接した関係にあると言えます。
人事は知っておきたい民法と就業規則はどちらが上?
就業規則は法律に沿って作られていることは前項で説明しました。
人事担当者は社内に退職希望者がいる場合、当然ながら就業規則の内容に合わせて対応をしていきます。
また従業員は社内ルールである就業規則を守るのが退職時でも一般的になります。
しかし、様々な状況によって退職日まで就業せずに退職したい、引き継ぎなどをせずにすぐ辞めたいと考えると就業規則に従うのが難しい場合もあります。
では希望する日に退職することはできないのでしょうか?
ここで重要になるのが、民法と就業規則はどちらが上なのか?ということです。
就業規則は法律に沿って作られているため、法律が変われば変わった法律に合わせて見直しをしなければなりません。就業規則は民法や労働基準法などの法律に帰属するのです。
そのため、法律と就業規則が退職の条件において異なる場合は民法が優先されるのです。
この点は人事担当者が十分に認識しておかなければならない点です。
人事担当者として知っていなかったために、従業員と退職に関してトラブルになってしまうなどの失敗事例に繋がる可能性があるのです。失敗しないためにも関係性を十分に認識する必要があります。
退職代行サービスへの相談が増加、就業規則との関係性
就業規則が原因で退職代行サービスに相談する方の人数は増加しています。
退職代行サービスに寄せられた相談例としては、
「人事から就業規則に沿って退職できないなら損害賠償を請求すると言われた」
「自分で退職の話を進められず失敗した」など
酷い事例としては、就業規則を盾にハラスメントを人事担当者から受けているといった事例も発生しています。そのため、退職を失敗したくないと考える従業員から退職代行サービスへの相談件数が増加しているのです。
退職代行サービスは退職希望者に代わって企業側に退職の意思を伝えるサービスです。
退職希望者が話を進めることができずに悩んでいる事案でも、退職代行サービスが間に入ることで解決に進むことがあります。
また、退職代行サービスの運営元は弁護士からの指導を受ける等、就業規則と法律の関係性についても十分に把握しているため、退職代行サービスが就業規則に起因する悩みに対して的確にアドバイスすることが可能となっています。
退職代行サービスは民法や就業規則に関わることがある存在であり、従業員に代わって人事担当者と関わることのある存在でもあるのです。
まとめ
ここまで就業規則と民法はどちらが上なのか、退職代行サービスとの関係性について説明してきました。
従業員も人事担当者も円満に退職の話を進めることが失敗しないための最善策ですが、お互いの考えが合わないことでトラブルになってしまうこともあります。
人事担当者として問題が大きくなってしまうと、企業側にも従業員側にも損失を与えてしまうため、対応を失敗することは許されません。失敗しないためにも法律について知っておく必要があります。
また、従業員側は企業側と対立してしまった時に誰にも相談できず悩んでしまうケースもあるようです。
そのような時は退職代行サービスがあなたの力になってくれるでしょう。
現在の状況を退職代行サービスに相談するだけでも、気持ち的に楽になる場合もあります。失敗したと落ち込んでしまう前に退職代行サービスがあることを思い出していただけると幸いです。