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【ご家族へ】退職代行利用について理解してあげるべき理由と背景

【ご家族へ】退職代行利用について理解してあげるべき理由と背景

「退職代行サービス」という言葉がメディアやSNSで発信されるようになり、退職代行サービスも多くの方に認知されるようになってきました。しかし、退職代行サービスを利用することに対してご家族やご親戚、ご友人からの理解が得られず悩んでいたり、周りからの意見を気にして退職代行サービスの利用を中止したりする事例を耳にすることがあります。

職場の環境やご自身の状況から仕事を辞めると判断し退職代行サービスを利用することを選択したのに、家族との相談の結果、利用を断念してしまう背景には何があるのでしょうか?

今回の記事では、退職までの流れをご説明しながらその背景について考えていき、ご家族に退職代行サービス利用の理解を少しでもしていただけるようになれば嬉しく思います。

 

どうすれば退職できるのか。

どうすれば退職できるのか。

まず、退職をするにはどうすれば良いのか。
初めて退職を経験する方が多いと思いますので、一般的な退職の流れを説明したいと思います。
退職に伴って未払い給与や残業代の支払い要求が含まれる場合は専門家に相談するのも良いかと思います。

①計画

会社を辞める前に次の就業先を見つけるなど、先のことを見据えた計画が必要になります
ご自身の状況にもよりますが、いつまでに辞めるのか、そのためには何をしなければいけないのか、できるだけ明確な計画を作ります。

②申し入れ

会社を辞めるための第一段階としては、まず直属の上司に相談・申し入れをするのが一般的な流れになるでしょう。上司に時間を取ってもらい、会社を辞める意思と退職希望日を伝えます。

しかし会社としては入社から研修や教育を得て、今後も戦力としている人材をそう簡単に手放すことは考えないでしょう。
「会社を辞めた後はどうする?」
「今の会社に残っておいた方がいいぞ。」
「会社としても大事な人材だから残ってほしい。」などなど、色々な言葉で引き留めにあうことかと思います。

ここで大事になってくるのは”会社を辞める意思を強く持つこと”と、計画の有無になります。

③相談・交渉

退職の申し入れをしたら具体的な退職日について会社と相談・交渉していきますが、ここでも引き留めにあう可能性があります。
「〇月末までは残ってほしい。」
「後任との引継ぎを含めて〇月〇日まで仕事をしてほしい。」

計画通りに会社を辞めるのであれば、会社側からの引き留めに引き下がることなく退職を進める強い意志を持つことが必要です。

④退職願、退職届

会社との相談・交渉が終わればあとは退職に向けて必要書類の提出や手続きを進めていくことになります。その中で必ずといってよいほど必要になるのが退職願・退職届です。
会社によっては両方必要になる場合もあります。また、会社独自の書式がある場合もありますので事前に確認しておくとよいでしょう。

⑤引継ぎ、そして退職

後任への仕事の引継ぎと身辺整理を行っていきます。
社内・社外への挨拶なども必要になってくるでしょう。そして、希望の退職日を迎え、会社を辞めることになります。

 

退職代行サービスを利用する理由、その背景は。

退職代行サービスを利用する理由、その背景は。

ここまで退職の一般的な流れをご説明しましたが、会社を辞めるには多大な労力と時間を要することが前項の説明で分かるかと思います。
退職代行サービスでは退職に要する労力と時間を節約することができるメリットがあります。そのメリットを得るために退職代行サービスを利用される方が増えています。また、新しい環境で仕事をしたい、今までとは違うことにチャレンジしたいと考える方も増えており会社を辞めるという選択をされる方も増えているようです。

ここ最近、退職トラブルの件数は増加傾向にあり、「上司が認めてくれない。」「退職願を受け取ってくれない。」「有給休暇を使用させてくれない。」「源泉徴収票や離職票を発行してくれない。」など内容は様々です。場合によっては「損害賠償請求する」と脅すことや、辞める意思を伝えた途端「いじめなどの嫌がらせ行為を受ける」といったことまで起こります。

こういったトラブルを避けるため、第三者を介することでスムーズに退職できるよう退職代行サービスを利用される方が多いのです。

 

家族だからこそ相談できない理由

家族だからこそ相談できない理由

自分の子供や親戚、家族が退職代行サービスを利用して会社を辞めると聞いたら驚かれる方も多いと思います。
それは退職代行サービスがまだ一般的な退職方法として認知されていないことがうかがえます。

先にも説明した通り、今までの退職方法はご自身が会社に対して申し入れ、引継ぎ等を行ったうえで退職する流れになります。その流れに沿うことが礼儀やマナー、今までお世話になった会社への恩義であるという考えがあるためだと思います。
そのため第三者を介する退職代行サービスは失礼にあたると考えてしまうのでしょう。

しかし、それは通常の退職ができる環境が会社に整っている、もしくはご本人の精神的・肉体的状況が整っている場合になります。

「人員不足で業務量過多のために体力的に限界が来ていて退職したいが辞めることができる状況ではなく、自分からはどうしても言い出せない」
「上司や同僚のハラスメントが酷く、退職を申し入れたらどんなことになるか怖くて自分で退職を申し出ることができない」
「仕事内容が合わず精神的にも辛く自分で退職を進める気力がない」
といった状況の方達もいらっしゃいます。

上記のような環境では退職を通常通り申し入れて進めていくことは難しいと思います。
また、そういった状況に自分が置かれていることを家族に話すことは不要な心配をかけてしまう、自分自身も辛いことを思い出してしまうため家族には話せないとして相談できない場合や、家族に相談しても解決しない、または反対されるに決まっている、といった理由で相談できないケースもあります。

 

退職代行サービスの利用を家族として認めてあげるべき理由

退職自体はどちらかというとネガティブなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。家族として退職することを踏みとどまるよう説得することもあるかと思います。
理由は様々でも退職希望者本人もたくさん悩み、退職するという結論に行きついたのに家族から現在の仕事にとどまることを薦められてしまうと再び悩まなければならなくなり、辛い状況がさらに続くことになります。

ここに興味深いデータがありますのでご紹介いたします。

退職代行サービスの利用を家族として認めてあげるべき理由
元資料「原因・動機別の自殺者数」

これは厚生労働省のホームページにも掲示されている「自殺対策白書」の参考統計資料から一部を抜粋したものです。
平成30年には2018人の方が「勤務問題」を理由に自ら命を落としています。
平成23年をピークに減少はしましたが、直近の2年間では少しずつ増えています。しかし、その他の問題で命を落としてしまう人は減少が続いているのです。

十数年前、数年前に比べると労働条件や労働環境はかなり改善されてきているかと思いますが、勤務問題で悩み苦しんでいる人は増えているのかもしれません。

苦しんでいる人たち、その中の1人が自分の家族だとしたらどうでしょうか?

もちろん、家族が介入して退職を進めるというのであればそれが一番いいかもしれませんが、大体の方は世間体などを気にされたり、上司など会社の人間と話しているうちに説得されてしまい、退職を貫き通すことが難しくなり、退職させるどころか逆に思いとどまるように退職者を説得してしまうケースがほとんどなのではないでしょうか。

しかし退職代行サービスであれば完全な第三者のため、そのような感情に流されることもなく退職を推し進めることができます。
こう考えれば退職代行サービスを退職したい方の苦しみから解放するための一つの方法として理解することができるのではないでしょうか。

 

まとめ

退職代行サービスはメリットも多いため、中には安易に使用されている方もいるかもしれませんが、本当は退職したいのに退職ができない、自分からは退職を申し入れる環境ではないといった退職ストレスを多く抱えている人たちのよりどころでもあるのです。

退職代行サービスを利用していることを知ったときは否定せず、退職代行サービスを利用しなければいけない状況にあることを理解してあげることから始めていただけることを切に願います。

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